橋本圭司先生の講演は初めてでしたが、お話がとても上手で、わかりやすくあっという間でした。今回は、その中でも心に残ったことばをご紹介いたします。
■高次脳機能障害は軽くなる
手足の麻痺の回復は月単位だが、高次脳機能障害の回復は年単位。
→周りは月単位での回復を期待しがちなことと、受傷前と比較してしまうため、期待値とのギャップに苦しんだり、本人にきつく注意をしたりするケースが多いようです。高次脳機能障害は進行性ではないので代替機能が働くなどして症状が軽くなりますが、受傷前には戻れません。ゆっくり、1つずつですが前に進みますので、叱責するのではなく、できることに目を向けて新しい目標を目指していってほしいと思います。
■高次脳機能障害を介護する人の44%が鬱傾向
食事やトイレなどの日常生活ができても、社会生活に介護を必要とする人が多いのが現状で、介護を担う配偶者や両親の負担感が強いためか、44%が介護鬱傾向との調査結果があるそうです。
私も受傷後孤独になったり苦手なことが増えたので、家族への依存度はとても強いと感じます。家族の負担を軽くしたいと思う気持ちと、依存してしまう気持ちで揺れ動いています。
妻は「当事者の居場所があれば、孤独感が減る→家族への依存度が減る→家族の負担が減る。まずは当事者の居場所を確保する、孤独感を解消することが最優先!」と言っています。当事者の居場所って自宅・就労・就学以外だとどんなところなんだろう…。