2024年9月の春日部市議会で、荒木洋美議員がフレイルについて一般質問をしていました。高次脳機能障害とは関係ないですが、気になったので今回取り上げます。
▼春日部市議会中継(
https://kasukabe-city.stream.jfit.co.jp/?tpl=play_vod&inquiry_id=2122
▼春日部市議会 令和6年9月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文
未登録
(荒木議員)
人生100年時代を迎え、誰もが住み慣れた地域で、いつまでも心身ともに健康で生きがいのある充実した生活を送りたいと願っていると思います。平均寿命を延ばすためだけでなく、健康寿命を延ばすことが大切です。
加齢に伴って心身の機能の低下が始まり、要介護になる恐れが高い状態のことをフレイル(虚弱)と言います。フレイルは適切な対応を取れば様々な機能を回復できる状態であるとしています。
フレイルには
- 筋力が衰える身体的フレイル
- うつや認知機能が低下する心理的認知的フレイル
- 独居や経済的困窮、孤食による社会的フレイル
の3つがあります。
そして、そのフレイルを予防し、健康寿命を延ばすための3つの柱が
- 栄養、食事、歯科口腔
- 身体活動、運動、社会活動
- 社会参加、就労、ボランティア
この3つをバランスよく取り組むことが大切としております。
春日部市としてはフレイルサポーターが運営主体となって、栄養・運動・社会参加の観点で取り組んでいます。また、ハルフレカフェというフレイルチェック測定会の参加者や地域の高齢者を対象に気軽に集える通いの場があります。栄養、口腔、運動などに関する専門職からの講座のほか、サポーターによる介護予防体操や参加者同士が日頃の心配事などを自由にお話しする時間などが設けられて日常生活改善への意欲を喚起し、様々なフレイル予防の実践に繋げることを目的として毎月開催しています。
①全国でいくつかの自治体では、フレイル予防のために難聴の早期発見の取り組みを行っております。ぜひ、春日部市のフレイルチェックにヒアリングフレイル、難聴に関する項目を入れていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
(健康保険部長の回答)
フレイルチェックに聴力に関する項目を取り入れることについてでございます。春日部市は東京大学高齢社会総合研究機構(以下IOG)が推奨する方式でフレイルチェックは栄養、運動、社会参加の3つの柱を意識して取り組むことにより、加齢に伴う身体や心の衰えを予防したり、フレイル前の健康な状態に戻すことができるという点に着目したチェックとなっております。従いまして聴力に関する項目をフレイルチェックに取り入れることは難しいものと考えております。
②難聴は健康に戻すことができないというのであれば、なおさら早期発見、早期介入が大事になってくると思います。フレイルチェックでできないのであれば、介護予防普及啓発事業などで行ってみてはいかがでしょうか。
現在、難聴の早期発見を行っている自治体が13自治体あります。豊島区ではアプリを使って難聴の早期発見に努めております。ぜひ春日部市でも行っていただきたいと思いますがいかがでしょうか。
(健康保険部長の回答)
令和5年度厚生労働省老人保健健康増進等事業難聴高齢者の早期発見、早期介入等に向けた関係者の連携に関する調査研究事業と言うものにおいて、難聴高齢者の早期発見や早期介入などの新たな取り組みを開始する際の参考となります手引きが作成されたところでございます。
この手引きにつきましては、現時点では実効性等を検証する段階にあることから、今後の動向等を注視しながら介護予防普及啓発事業などへの導入について検討してまいりたいと考えております。
上記一般質問の答弁を聞いてIOGに問い合わせをしたところ、ものすごくザックリというと「聴力低下をはじめとした感覚機能の低下が非常に大きな課題であることはすでに理解しているが、全国で一律に展開されている内容なのですぐに調査項目を拡充することは難しい。」との回答をいただきました。
春日部市はIOGにフレイル予防プロジェクトの立ち上げに携わっていただいているため、推奨するフレイルチェック方式を取り入れている手前、春日部独自でチェック項目を追加するのは難しいのだろうというのはわかります。
それでも、IOGも非常に大きな課題と認識している上に、IOGの報告を見ると
春日部市の要支援・要介護認定率は14.5%(全国18.5%)と比較して低いものの
新規要支援・要介護認定者の要介護度3以上の分布は25.7%(全国19.4%)と比較して高くなっている
さらに春日部市の認知症高齢者の日常生活自立度について
春日部市は自立度Ⅱ以上59.3%、自立度Ⅲ以上30.0%となっており、
全国(自立度Ⅱ以上57.3%、自立度Ⅲ以上23.4%)と比較して高く、
認知症の傾向がある高齢者の割合も高くなっている
加えて、新型コロナウイルス感染症の拡大と対策の長期化により、コロナフレイルのリスクを抱えた高齢者も増加している。
とあります。
春日部ヤバいじゃん・・・
・春日部市、全国や埼玉県と比較しても自立度が低くてヤバい
・難聴が非常に大きな問題であることがわかっている
・令和6年3月に厚生労働省が調査研究を依頼している会社から「難聴高齢者の早期発見・早期介入等に向けた関係者の連携に関する手引き」が出ている
・既に難聴早期発見に着手している自治体がある
こんなに状況がそろっているのに”今後の動向等を注視しながら検討する”って…のんき過ぎるだろ!そんな姿勢だから春日部市は何にでも後手後手になるんだよ!ハルフレカフェで難聴に関する話をしたり、市役所が耳鼻科受診を促したり、費用があまりかからない方法で啓蒙することだけでも進めろよ!
と感じます。
春日部市は障害関係と比べ、子供や介護に力を入れている市と感じますが、その介護でさえもこの体たらく…。基幹相談支援センター等、障害関係の支援はいったいいつになるのやら…。
皆さんはどう感じますか?